[チョークトーク] Amazon SESの配信性能を上げるための方法についてDeepDiveしました #AWSreInvent #BIZ214

[チョークトーク] Amazon SESの配信性能を上げるための方法についてDeepDiveしました #AWSreInvent #BIZ214

Clock Icon2023.12.04

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こんにちは!AWS事業本部のおつまみです。

今回はre:Invent2023のセッション Enhance email deliverability using Amazon SES に参加してきたので、内容をご紹介します!

ワークショップの概要

タイトル

BIZ214-R | Enhance email deliverability using Amazon SES

概要

Virtual Deliverability Manager for Amazon SES helps organizations improve email deliverability by providing insights and recommendations for reaching recipients’ inboxes. In this chalk talk, learn best practices for email deliverability and how Virtual Deliverability Manager can help troubleshoot email deliverability issues. Mailbox providers are adjusting their requirements for sending in 2024, so join this talk to learn how Amazon SES can help you meet rising expectations for email authentication and low complaint rates.

Amazon SESのVirtual Deliverability Managerは、受信者の受信トレイに到達するためのインサイトと推奨事項を提供することで、企業がEメール配信性を向上できるよう支援します。このチョークトークでは、メール配信のベストプラクティスと、Virtual Deliverability Managerがメール配信の問題のトラブルシューティングにどのように役立つかを学びます。メールボックスプロバイダは、2024年に送信するための要件を調整しています。このトークに参加して、Amazon SESがメール認証と低い苦情率に対する高まる期待にどのように応えることができるかを学びましょう。

スピーカー

  • Matt Strzelecki
  • Samuel Koppes

レベル

200

3行まとめ

  • 電子メールの配信率を向上させる要因は送信者評価(=レピュテーション)である。
  • レピュテーションを向上させるには、高い開封率、クリック率、低い苦情率、バウンス率が不可欠となる。
  • Virtual Deliverability Manager は、配信可能性の問題を特定するための詳細な情報と、電子メール構成を正しく設定するための推奨事項を提供する。

セッション内容

アジェンダ

  • 大規模な電子メール送信に関する課題
  • Amazon SES の概要と送信者評価(レピュテーション)について
  • レピュテーションを高めるための配信性能ツールについて話し合う(デモ)
  • 配信性能のトラブルシューティングの詳細

このセッションでは、Amazon SES が配信性能の向上にどのように役立つかに焦点を当てながら、高度なスキルの送信、電子メールの重要性、課題、レピュテーション、配信性能ツール、およびインタラクティブなデモを取り上げます。

大規模な電子メール送信に関する課題

電子メールは今日利用可能な情報コミュニケーションツールのひとつであり、顧客との繋がるための理想的なチャネルです。誰もがメールアドレスを持っているため、顧客と連絡を取り合い、新しいビジネスを開拓するための最良の方法のひとつです。

しかし、メールをユーザの受信箱に届けることができなければそれは意味のないものになってしまいます。

大規模な電子メールの送信には以下のような独自の問題があります。

  • 配信性能と開封率は収益に直接影響を与える可能性があります。
  • 価格設定が重要になります。
  • 配信する電子メールの規模が拡大すると、送信者のレピュテーションが悪くなるリスクが高まります。

そのため、毎月 100 通のメールを送信することと、1 億通のメールを送信することは異なると認識する必要があります。

また、Gmail、Hotmail、Yahooなどの特定のメールボックス・プロバイダに送信する場合は、それらの苦情率がどれくらいなのかを理解する必要があります。つまり、開封率が高く、クリック率が高く、苦情が少なく、配信停止が少なく、バウンスが少ない場合、これらはすべてメールボックスプロバイダーにとって良い送信者であるということになり、規模を拡大することができるようになります。 そのため、メール配信は利用可能なツールを使い、性能を監視する必要があります。

Amazon SES の概要と送信者評価(レピュテーション)について

Amazon Simple Email Service は、開発者があらゆるアプリケーション内からメールを送信できるようにする、コスト効率が高く、柔軟でスケーラブルな電子メール サービスです。

以下を実現することができます。

  • 大規模送信
    • 2022 年に 8,000 億件を超える大量の電子メールをサービスで配信した実績を持ちます。
  • 信頼できる配信
    • 安全な電子メール認証により、信頼できる送信者として顧客の受信箱にメールを到達させます。
  • コンプライアンス認証済
    • HIPPA-eligible、FedRAMP-、GDPR0、ISO-などの認定オプションで、初日からコンプライアンスを確保可能です。
  • 最安値
    • 他の大規模電子メールサービスプロバイダーの1/3の公開価格で電子メールを送信可能です。

Amazon SESは2022~2023年にかけて、このようなアップデートをしてきました。
これらの機能は全てお客様からのフィードバックの結果です。

  • Virtual Deliverability Manager
    • VDM は、電子メール管理者が電子メール送信を監視および自動化し、電子メールが送信される可能性を高める新しい機能です。
  • 専用IP(マネージド)
    • Amnazon SES は、顧客の専用 IP の設定と管理の負担を軽減し、専用 IP を介した送信を自動化します。
  • 電子メール ID ごとに設定を割り当てる
    • Amnazon SES では、特定の電子メールドメインまたは個人のメールアドレスごとに電子メール ID (アドレスなど) といった設定に割り当てることができるようになりました。
  • 再設計されたサービスコンソール
    • よりシンプルで直感的な方法をお客様に提供するために、新しいコンソールを最適化しました。
  • 最大 40MB の添付ファイルを追加できる
    • メッセージサイズが最大 40 MB の E メールを送受信できるようになりました。
  • DKIM 2048によるセキュリティの強化
    • DomainKeys Identified Mail (DKIM) は、送信者が暗号キーを使用して電子メールメッセージに署名できるようにする規格です。Amazon SES を使用すると、お客様は 2048 DKIM を有効にできるようになりました。

SESを様々な用途で利用可能だが、主な選択肢はトランザクションメールとマーケティングメールの2つです。

  • トランザクションメール
    • 発送通知、アカウント更新、ワンタイムパスワード、パスワードリセット、アカウント設定
  • マーケティングメール
    • ニュースレター、プロモーション・コンテンツ、広告、製品サービス、コンバージョンへの誘導、特別オファー

それぞれのメールメッセージを配信する際のルールを理解することが重要です。

レピュテーションはメール受信箱へ正常にメールが配信できるかを決める最大の要因です。これにより、規制された業界向けに認定されており、企業がユーザーと安全に通信できることを保証します。

  • 「レピュテーション」とは何か?
    • レピュテーションには主要な要素として、「バウンス率」「苦情率」の2種類がある
    • 正当なユーザであるか認証する指標をもつ
  • なぜレピュテーションが重要なのか?
    • 配信と受信箱への配置を可能にする
    • あなたが誰であるかを証明する
  • Amazon SES プラットフォームのレピュテーション
    • プラットフォームの品質管理
    • 迅速なスパム検出
  • レピュテーションを監視および管理する
    • 分析と診断を行う
    • プライベート送信チャネル

レピュテーションは受信トレイの配置を左右する最大の要因であり、レピュテーションを向上させるには、高い開封率、クリック率、低い苦情率が不可欠です。

配信性能を知るためには、SES コンソールやGoogle postmaster toolsなどのツールを使用することができます。これにより、送信者のドメインとIPを監視し、問題を特定し、良好なレピュテーションを維持するのに役立ちます。

Amazon SESでは、配信性能ツールとして、以下を提供してます。

  • Virtual Deliverability Manager
    • 配信とエンゲージメントの全機能を把握
    • レコメンデーションエンジンによる設定と送信の監視
    • 配信およびエンゲージメントのパフォーマンスを、送信された各メールのレベルまで可視化
    • 送信の自動最適化により、共有IPよりも評価の高いIPチャネルを提供
  • 専用IPアドレス(標準)
    • メール送信のための固定IPを提供
    • Amazon SESを使用する他の送信者によるIPレピュテーションの影響から独立
    • 各IPはお客様によってのみ使用され、SESを通じたメール送信のみに使用される
  • 専用IPアドレス(マネージド)
    • メール送信のためのされた固定のIPプールを提供
    • Amazon SESを使用する他の送信者によるIPレピュテーションの影響から独立
    • 各IPはお客様によってのみ使用され、SESを通じたメール送信のみに使用される
  • IPアドレスの持ち込み
    • 独自のIPアドレスを使用して、送信IPレピュテーションを完全にコントロールする

それでは、デモを見ながら、配信中に起こるすべてのことを考えてみます。 送信した瞬間から、メールが送信されるまでの一連の状態があります。 お客様が実際にメールを開封して読んだという開封イベントが表示されるかもしれませんし、理想的には、お客様がメールに対してアクションを起こしたというクリックスルーが表示されるかもしれません。

これから詳しく見ていきますが、Virtual Deliverability Manager(VDM)について深掘りしてみます。

Virtual Deliverability Manager(VDM)には2つの主要な機能があります。

  • 問題を発見するためのインサイト(ダッシュボード)
  • リアルタイムのレコメンデーションで問題に迅速に対処(アドバイザー)

ダッシュボードでは、配信中の様々なステップの時系列を見ることができます。また、送信ごとの特定の指標から、メールボックスプロバイダーによる個々の指標やメッセージを見ることもできます。
アドバイザーでは、誤ってDNSレコードを削除してしまった場合にリアルタイムで問題解決のためのレコメンデーションを実施してくれます。

このように自動化された実装ツールでAmazon SESに送信を改善させることができます。

配信性能に関するQA

Q. レピュテーションを下げる要因には、どのようなものが上げられるますか?
A. メールボックスプロバイダーが、適切な設定をしていないと配信が困難となります。Amazon SESではSPF、DKIM、DMARCこれら3つの設定を適切に行い、送信に使用しているドメインと一致していることを確認する必要があります。

Q. Gmail や Yahoo といった大手プロバイダーにメール配信を行う時に注意すべきことはありますか?
A. Gmail と Yahoo は、送信者の認証を要求したり、大量にメール配信を行う配信者のドメイン使用をブロックするなど、スパムを防止するための新しいポリシーを施行しています。例えばGmail では 2024 年 2 月以降、Gmail アカウントに 1 日あたり 5,000 件以上のメールを送信する送信者に対し、1. 送信メールを認証すること、2. 未承諾のメールまたは迷惑メールを送信しないようにすること、3. 受信者がメールの配信登録を容易に解除できるようにすること、の 3 つが義務付けられます。そのため、各プロバイダーのガイドラインを確認し、どのような設定を行う必要があるのかを把握しておくことが重要です。

VDMのデモ講座

ダッシュボードでは、日付の範囲を選ぶと、その間に何が起こっているのか、サンドボックスの合計、開封率、クリック率などが素早く表示されます。
この傾向を見ることは本当に重要です。なぜなら、メールがブロックされ始めるまで待ちたくないためです。
傾向を見て、大きな問題になる前に、それが何なのかを調べる必要があります。
例えば、どのISPと問題があるのか、すべてのメッセージに問題があるのか、送信者だけに問題があるのか、Gmailなのか、Hotmailなのか、Yahooなのか、もっと小さなプロバイダーに問題があるのか、などと考えてみてください。

問題を把握するためには、メッセージにフィルタリングをかけます。
例えば、特定のISPでバウンスが発生している場合、その条件でフィルタリングをかけます。
すると、詳細を表示でき、診断するためのエラーコードを得ることができます。多くの場合、メールボックス・プロバイダは、なぜバウンスになったのか、どうすれば修正できるのかを教えてくれます。

次にアドバイザー機能である。
アドバイザーは、検証された ID について DNS レコードを継続的に監視することで、DNSの問題をメッセージ配信の問題が発生する前に特定するのに役立ちます。
具体的にはSPF レコードや DKIM レコードの欠落など、DNS レコード内の潜在的な障害を検出し、メッセージがバウンスされる前にそれらを修正するための推奨事項を提供します。
特に2024 年 2 月以降、ポリシーが変更になるため、ここで推奨されている設定を入れていないと近い将来、メッセージがバウンスされる可能性が高いです。その前に問題が発生していることをすばやく特定し、修正してください。

全体を通してのQA

Q. Amazon SESではどのくらい大量のメールを配信することができますか?
A. やろうと思えば毎秒10億の速度で送信することも可能です。しかし配信速度ではなく、受け入れようとするプロバイダー数が送れる速度です。また大量の同報メールを無効なメールアドレスに送信した場合、あなたのAmazon SESはスパムメールサーバーのフラグが付けられる危険があります。スパムサーバーはISP が積極的にブラックリストに載せるので、あなたの SES IP アドレスがブラックリストに載ってしまった場合、ブラックリストを重視している ISP を使ってメールを送信することは不可能になってしまいます。そのため、大量のメール配信には注意が必要です。

Q.同じドメインを用いて、トランザクションメールとマーケティングメールをサブドメインをごとにセットアップしている。この場合、ISPでブロックされないために各メールごとに設定を変更すべきですか?
A.それは良い考えです。今回のデモでは1つのドメインアカウントでは1つだけだが、設定セットで分割して書くメールをコントロールすることができます。

最後に

今回はチョークトークに参加し、Amazon SESのEメール配信率を上げる方法を学びました。

実際にAmazon SESのプロダクトマネージャーの方が説明やデモを実施してくれるという、贅沢な時間を過ごすことができました。

チョークトーク自体、このセッションが最初で最後の参加でしたが、次々と質問や意見が出てき、議論が活発に行われていたのが印象的でした。
今回は質問することができなかったので、来年はできるように英語力を鍛えていきたいと思います!

またセッション中に紹介されていたVirtual Deliverability Managerはこちらのブログでも紹介しているので、Amazon SESを運用されている方はぜひ一度ご確認ください。

最後までお読みいただきありがとうございました!
どなたかのお役に立てれば幸いです。

以上、おつまみ(@AWS11077)でした!

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